2019年9月22日に開催されたサブライブ!ペガ!! Vol.4 において、『大和まほろば奇鬼妖神』のサイドストーリー《大和まほろば奇鬼妖神 人狼の里 編》のボイスドラマの公開アフレコが開催されました。
詳しい情報は、http://www.gunsbarroses.jp/kanmaki/sublive4/#vdra をご参照ください。
右のキービジュアルはちゃとん様が描かれたものです。
ファンティアで展開中の【鬼っ子ハンターついなちゃん】ボイスドラマ 第32話に、スピカ・スカイユ、真田ちゆり、鹿名時雨、リンダ・ファーイが登場しています。
こちらは、第32話前編のキービジュアルです。
第32話前編は、https://fantia.jp/posts/172587でお聴きいただけます。
こちらは、第32話後編のキービジュアルです。
第32話後編は、https://fantia.jp/posts/176223でお聴きいただけます。
いずれのイラストも、ちゃとん様が描かれたものです。
【鬼っ子ハンターついなちゃんボイスドラマのゲスト声優オーディション企画】
数ヶ月後に公開予定のついなちゃんのボイスドラマに登場するゲストキャラクター【真田ちゆり】の声優を募集いたします。
参加条件
・ 女性声優
・ プロアマ問わず
・ Twitter と YouTube のアカウント保持者
・ 2019年3月20日(水)に東京23区内にて行われるスタジオ収録日に確実に参加できること
参加方法
・ Twitter にてハッシュタグ【#ついなちゃんボイドラ真田ちゆりオーディション】をつけて参加表明して下さい。
※ その際、https://twitter.com/Spica_Mbase4 をフォローしてください。(※オーディション期間中のみで構いません)
・ オーディション選考のため下記 @〜D のセリフを読み上げて YouTube に上記ハッシュタグと当該イラスト(TOP絵)を添付のうえ動画を投稿してください。
※ セリフを読み上げる前にご自身のお名前をお願いいたします。
※ 動画にTOP絵を組み込む際には、改変や効果付けなど、自由に行ってください。
また、以下で公開されている小説中の挿絵を使用することも可能です。
@ 愛してるわ。スピカと出会っていなっかたら……自分の力を好きにはなれなかったわね。愛してるわスピカ
A 「ねえ、スピカこのままで、このままずっと二人でいられたらいいのにね」
B 「スピカ!」
C 「もう、いつもそうやって、ギリギリになってから行動するんだから……でも、それがスピカらしいっていえば、スピカらしいわね」
D そして、私たちは、ヤタガラスのデッキ内で大きく両の手を開いて待ち構えている兵士さん達の頭上すれすれをゆっくりと通り過ぎてからカーゴデッキの奥に着地しました。
正直、私は、心底、楽しんでました(笑)
参加表明及び YouTube 投稿期限
2019年3月10日(24時まで)
結果発表
2019年3月12日
報酬
1万円(交通費なし)
2019年3月25日に所定の口座に振り込み
共演予定キャラクター
・ 役ついな(CV:門脇舞以)
・ 鹿奈 時雨(CV:石崎紗彩)
・ スピカ・スカイユ(CV:飯田悠佳)
・ リンダ・ファーイ(CV:オーディション中)
真田ちゆりの詳細等
・ 鬼っ子ハンターついなちゃんボイスドラマ第11, 12, 16, 21, 28話
真田ちゆりのセリフが出てくるシーン、小説「大和まほろば奇鬼妖神 ソロモンの悪夢編」の一部抜粋編纂です。
凄まじい速度で、スピカとちゆりは天高く光の柱の中を舞い上がっていく。そして二人を追いかけるようにしてその後から光の柱が消失していく。かなりの上空、高度にしておよそ10000メートル以上に達したとき、上昇運動は無くなり、二人の体はゆっくりとそしてふわりと空中で止まった。光の柱は完全に消滅し、夜の天空には金色に輝く光球に包まれたスピカとちゆりだけとなった。 抱き合ったままの二人は互いに深い藍色の夜空を見廻したあと、二人同時にゆっくりと瞳を閉じた。 互いに心の中で呟く。
ボクがちゆりを守るよ。絶対に
① 愛してるわ。スピカと出会っていなっかたら……自分の力を好きにはなれなかったわね。愛してるわスピカ
一呼吸したスピカが鼻で笑い、目を開けると、すぐにちゆりと視線が交わった。
ちゆりの物言いたげな漆黒の瞳から照れくさそうに目を逸らし、眉をひそめたスピカは、ちゆりの意図するところを察してか先に沈黙を破った。
「……これって、いつやっても慣れないんだよな」
スピカのその言葉を聞いて、ちゆりは満足したのか悪戯っぽく微笑した。
「そうかな、私は好きだけど、この感じ。空を飛んでるって気分が最高ぉ〜」
「……実際は落ちてるんだけどね」
愛し合う恋人同士が抱擁でもしていたかのような状態を捨て去り、大の字になり手を取り合って空中を浮遊するスピカとちゆり、二人の周りには幻想的な光の波が漂い、二人の少女達を包むかの如く揺ら揺らと輝いている。まるで光る風船≠フ中にでも居るように、夜の大空をふわふわと浮遊しているようにも見えるが、実際はかなりの速度で落下しているにほかならない。魔法陣球が生み出した一種の無重力亜空間の中に居る二人には外気の状態は一切伝わってこない。いわば肉体に感じる物理的現象が皆無なため、落ちていると感じるのは重力感では無く、視覚に入る地上物との遠近感のみである。
② 「ねえ、スピカこのままで、このままずっと二人でいられたらいいのにね」 「だね」 「このまま、飛んでたーい」 「いやいや、そりゃ無理っしょ」 スピカが迫りくる地上を見据えて呟く。 「そろそろ止めないとな」 「屋上に戻っちゃうね」 ちゆりの左手を離したスピカは両手で印を結び替えながら呪文を唱え始めた。 「カクワフシ、メノギウチウラ、フナムギイチウラ、ノメロニウラ、クヂウトラン、チスハサナン、チスハサウン、チスハイウ!」 スピカが呪文を言い終えた直後、二人を包んでいる魔法陣球が一瞬紅くひかり輝いた。 そして、地上に向かって落下していたはずの魔法陣球が空中で静止した。だが、すぐに魔法陣球は落下しはじめる。魔法陣球の中に居る二人の状態には何の変化も見られない。が先程とは違って無音状態であった空間には外気が流れ込み音≠ェ生まれだした。 空気の流れを感じたちゆりが声をあげる。 「気持ちいい〜」 ちゆりは長い黒髪をかきあげると「えいっ」と腰をひねり水平のまま回転しながらスピカの上下を漂う。 「スピカ、止まったの?」 「だといいんだけど」 スピカは地上の灯りの一点に目を凝らして首をかしげた。 「って、やっぱり落ちてる気がするな」 魔法陣球の落下速度はそれほど速くはないが確実に下降しているようである。 「フフフ、まだまだ大佐みたいには上手くいかないみたいね」 「ちぇっ。おかしいな」 「フフフ」 クルクルと楽しそうに回り続けるちゆりにスピカは左手を伸ばし掴 まえた。そして再び大の字になった二人は魔法陣球の中で漂う。 光煌めく地上物の美しさに見惚れていたちゆりが一際 異彩な光を放ちながら遥か遠くの空を旋回している物体を指さした。 「スピカ! あれ!」 「――――見えた!」 眼下に広がる街の灯りに混じって、一般の航空機ではありえないストロボライトの光彩が見える。それは二人を目的地に輸送するための大型戦術輸送航空機C‐2SM のものに間違いなかった。 直後、スピカの特殊な無線機のヘッドセットから聞きなれた兵士の通信が入る。
『こちらヤタガラス。スピカ少尉、聞こえますか? 高度三〇〇〇メートル 、速度五〇〇km/h ポイント接触まで七二秒です』 「聞こえてるよ、了解! 俯角四十五度、二百四十二度の方向、突入します」 スピカは左手に繋いだちゆりを自分の体の下に引き寄せて再び抱き合うような格好になった。 「ちゆり、ゴーグル、リュックの中から出して」 「いい。このままでいいわ」 「目、開けられなくなるよ」 「ううん。スピカにくっ付くから。この方が好きかな」 スピカに握られていた右手を離し地上を背にして空中に浮いたちゆりはスピカの首元に両腕を廻し、がっちりと抱き着きスピカの顔を見上げて微笑した後、大きく深呼吸をすると顔をスピカの肩と頬に強く押し付けて息を止めた。 (――甘えんぼうかい。まあ〜いいけど) ――スピカは自由になった左の掌 を真横に押し出すと、雲ひとつない夜空に煌めく満月を見据えて詠唱を唱え始めた。 「飛鳥の野に慈しき母と、吉野の山に猛き父の名に於いて、我に力を授けん。オン・バサラ・クシャ・アランジャ・ウン・ソワカ!!」 刹那――。 二人を包んでいた光の風船≠ェ四散した。まるでシャボン玉が弾き割れるように、そして風船≠フ破片とでもいうべき飛び出した光りの粒子すべてが寄り集まるようにしてスピカの左手に渦を巻きながら吸い込まれていく。
ガクン! 瞬間! 光る風船≠フ中から解き放たれた二人の少女の体は突然に真上からの強烈な力に押されたように、重力の井戸に吸い込まれていく。スピカは薄目を開け迫りくる地上を見据えた。真正面真下からのとてつもない風圧に曝されながら。 「くっ!」声にならない呻きをもらすスピカ。 四肢に力を込めたスピカは、右腕で強くちゆりを抱きしめると上体を巧みに操り、くるっと半回転し仰向けの姿勢になった。そこから更に頭を持ち上げて垂直になる。眼下の街の灯りに紛れたヤタガラス、それの方向に体をねじり向き直ると胸の前に突き出した左手に力を込めた。 輝きだす左手。 すぐさま。 スピカ達のはるか真下を、大佐とソフィーのはるか真上を、地上からは視認することのできない夜の闇に溶け込んだ黒い塊 が飛行音だけを残し高速で通過した。 「いっけぇぇぇ!」スピカが吠える! 左の掌 から凄まじい光の塊が爆散したかのように四方八方に弾け飛んだ。 途端に二人の少女の体に急激な重力加速と空気抵抗が圧し掛かる。
スピカは両腕に力を込めてちゆりを更に強く抱きしめる。背中のバックパックが体に押し付けられる圧倒的な風圧を感じながら後ろ向きのまま水平に、一つの高速飛行物体と化してヤタガラスを追尾し始めた。そして徐々にヤタガラスとの距離を縮めはじめる。が高度差がありすぎる。 「ちゆり、行くよ」 「うん」 「三、二、一、よし! 今だ!!」 スピカは体をねじり、ちゆりを体下に抱え直した。そして頭から地上に飛び込む姿勢になる。すると下降速度が加わり更に速度を増した。二人の体は大空に弧を描きながら滑空していく。 「チッ、やっぱ、ゴーグルしとくんだった。ちゆり、大丈夫か?」 「だいじょうぶー」 とスピカの胸に顔をうずめたままのちゆりがモゴモゴと返事をする。
すぐに、凄まじい風圧によりスピカの瞳から涙が零れ始める。両目を開けていられなくなったスピカは瞳を閉じて、両腕でギュッと力強くちゆりを抱きしめながら心で念じた。 (――頼むダタラッチ!) すると、スピカの被る帽子の前方中央にデザインされた赤いワンポイントが鮮血を吹き出したかの如く鮮やかな赤い光を撒き散らしながら後方に流れていくではないか。と同時に風圧により開 けられなかった筈のスピカの双眸が大きく見開かれ澄んだ碧眼が金色に変色し輝いた。と同時に二人の体が薄紅色の光を放ち出す。 ちゆりは周りの空気すべてが急速に温かくなるのを感じた。それはスピカがダタラッチの助力により魔力を発動させたことの証である。それを感じとってスピカの胸から顔を離した。 「スピカ」 ちゆりは金色に輝くスピカの瞳を覗き込む。 「大丈夫、このまま行ける」
スピカがはるか前方の小さな光点を睨む、とそれは航空機の形となり、それ以上に航空機の中に居る人の顔までもが鮮明になった。 その航空機ヤタガラスまでの距離はもう数千メートルもない。後部空挺扉は開いている。複数の兵士の姿も確認できている。 (近 っ! ――――オマエ達 、ちゃんとボク達 を受け止めろよ) 宙返りにひねり回転を加えて、ちゆりをお姫様抱 っこ≠フように抱 え直すと足先から飛び込むようにして空飛ぶ怪鳥 の腹中を目指す。 が、スピカ達のスピードには勢いがありすぎる。このままではヤタガラスの腹中に入 れたとしてもデッキ内部の壁に激突して無事でいられるわけがない――。 ③ 「スピカ!」 ちゆりが叫ぶ。 「わかってる! ダタラッチィィー!!」 ヤタガラスの機体目前でスピカが叫んだ。 瞬間! スピカの背中に翼でもあったのか、赤く光り輝く大きな翼のようなモノ≠ェ一羽ばたきした。すると一気にスピードが落ち、ヤタガラスとの相対速度はほぼゼロの状態となった。
「フー、もう、大丈夫だよ、ちゆり。このまま行こう」 「スピカったら、ダタラッチがいなかったらどうするのよ」 「ははは、ボクらは一心同体だからね」 ④ 「もう、いつもそうやって、ギリギリになってから行動するんだから……でも、それがスピカらしいっていえば、スピカらしいわね」 「だろ」 ⑤ そして、私たちは、ヤタガラスのデッキ内で大きく両の手を開いて待ち構えている兵士さん達の頭上すれすれをゆっくりと通り過ぎてからカーゴデッキの奥に着地しました。 正直、私は、心底、楽しんでました(笑)
リンダ・ファーイのセリフが出てくるシーン、小説「屍を愛でる少女」の一部抜粋編纂です。
状況:ついなと同行していた女リンダ・ファーイが人間ではないと気付いたスピカが去りゆく女を呼び止めた。
「お姉さん、あんた人間じゃないだろ」と
この土地に伝わる『クロエ』と呼ばれる人の生き血を吸う化け猫だと思ったスピカは、ついなとちゆりに『クロエ』の詳細を伝えたあと、女に銃口を向ける。
「で、ネコの吸血鬼 だから、ニャンパイアなの?」 ちゆりがスピカに尋ねる。 「そう」 スピカがこれ見よがしに胸を張る。 女は自分を引きとめたくせに、三人で盛り上がる少女達に呆れていた。 「せやからか。にゃんぱいあ、ってなんかかわいいな」 「ニャンパイアって、なんか可愛い」 ついなとちゆりは笑い出した。 「なにが、可笑 しいんだよー」 「スピカのネーミングセンスって、いつもオカシイわよね。ダタラッチもそうだけど」 「……」不貞腐れるスピカ。 女に振り返り、真剣な顔つきになったスピカが訊く。 「で、おまえ、ニャンパイアか?」 スピカのセリフを聞くなり、ちゆりとついなが腹を抱えて吹き出した。 「馬鹿言わないでほしいわね」 と生真面目に返答した女の顔も少しばかり綻 んでいる。 緊張感の無い二人を横目に、スピカは再度訊いた。 「なら、おまえはなんなんだよ?」
「あなたに答える義務があって」 と女の青い瞳に殺気が宿った。 コイツ! スピカは察した。こちらに対して敵意があるわけではない、が尋常ではない殺し屋特有のプレッシャーを感じた。 「義務なんて関係ない。返答次第では」 スピカは素早くヒップポーチから愛銃のM712 を取り出して女の頭部に銃口を向けた。そしてゆっくりと撃鉄を起こす。 笑い転げていたちゆりとついなが我に返る。 「スピカ! なにやってんの!!」 「スピカちゃん!」 スピカは女を睨みつけたまま隣のちゆり達に言う。 「こいつは人間じゃない。いいから、二人は下 がってろ」 「でも、ウチなんもされてへんで、一緒に帰ってただけなんやけ」 「いいから、下がってろ!」 スピカの怒声に気押され、言われるがままに、二人は数メートル後退した。 「やれやれ、気の短い娘 ね」 と、言い終える間もなく、女の姿がスピカの視界から消えた! 刹那、スピカは右側に女の気配を感じた。と同時に右手首と右肩甲骨に激痛が走る。痛 っ! スピカは、背後にあっさりと回った女に身動きを止められてしまった。 女がスピカの手首を捩じるように少しの力を加えて、耳元で囁いた。
「ジャマしないでくれるかしら」 スピカは顔を歪めながら女を睨みつけると悪態をついた。 「ばーか、これで勝ったつもりかよ……おまえの負けなんだよ!」 スピカは右腕全体に走る鈍い痛みを我慢しながら、力を振りしぼって右の指先に力を込める。 パァン! 明後日の方向を向いたM712の銃口が火を噴いた。 「どこ狙ってるの」 女が冷やかに言った。 直後、女の頭部が左右に激しく揺れた! スピカの右手首にあった余計な外圧が徐々に無くなり、背中ごしに伝わっていた女の体がスピカから離れていく。 ――ドサッ。 スピカは左手で右手首を摩りながら、仰向けに倒れる女に振り返った。 女の瞳孔は一点を見据えたまま微動だにせず、左右のこめかみに開いた小さな穴からは僅かばかりの赤い液体が滴り落ちていた。 スピカの撃った銃弾は、魔弾と呼ばれ、物理的に通常の実弾とはかなり異なる。空間歪曲術式 ≠施された銃弾は射手のイメージ通りの弾道を描くか、または空間を飛び越える《テレポート》によって、確実に目標物に到達する。しかし、それも射手の視認できる範囲内での限定条件が付くが、すなわち銃弾は女の頭部めがけて撃ち出されていたのである。 「こいつ、いったい、なんなんだよ」 スピカは動かなくなった女を注視し呟いた。 慌てて駆け寄ったついなとちゆりが口々に喚きたてる。 「なんなのスピカ! ……ってなんなのよ!!」 「……ボクだってわからないよ……」 「ススススス、スピカちゃん! なななな、なにしてるねん!? こ、殺してもうたんか!?」 仰向けに転がるそれ≠ヘどう見ても、少女達が幾度となく遭遇してきた妖怪変化の類には程遠く、確たる根拠は皆無にも関わらず百パーセント人間だと、意識がそれ≠ニ認識せざるを得ない状況。 ――――――。 女の死体を見つめる三人に沈黙の時間 が流れる。 苦虫を噛んだような表情で右手の銃に力を込める少女、スピカ。 無表情のまま、腕組みをして、右足の膝を小刻みに揺らし、つま先で石畳を打ち鳴らし続ける少女、ちゆり。 顔面蒼白で、死体、スピカ、死体、ちゆり、死体、スピカ、と何度も交互に見つめる少女、ついな。 ――!! 突然、スピカ、ちゆり、ついなの三人が声にならない声を発した。 死体≠フ瞳が僅かに動きスピカを見た。 「ほんとうに、いきなり頭、撃つかしら……しかもディストーションを使えるって……」 三人は同時に後ろへ飛び退いた。 驚愕の三人をよそに、ゆっくりと体を起こし胡坐をかいた死体が、指先でこめかみの銃創を触る。自らの体内から流れ出たであろう指先に付着した少量の赤い血をまじまじと見つめながら呟いた。
「……まだ、あるのか……」 と、見る見るうちに女のこめかみの傷口が塞がっていく。 二人よりも早くスピカが先に口を開いた。 「お、おまえ、アンデッドか?」 「なに?」 「スピカちゃん、なんやそれ?」 「……ある意味、もう死んでる人間さ……」 今しがたまで死体≠ナあったであろう女が立ち上がり答えた。 「だとしたら、どうするの。まさか、あなた、魔銃士 だったとはね」 「――おまえ、魔術師か?」 ガンナーという単語、それにディストーションとも言った。その言葉の意味を理解しているということは魔道に関わる者に他ならない。 「魔術師だろうとなんだろうと――おまえ、ジャマするな≠チて言ったよな。この子になんか関係あるのか?」 スピカはついなを見た。 「私は魔術師じゃないし。その子にも関係はないわ。私のジャマをして欲しくなかっただけよ」 「おまえのジャマ?」
「そう。あなたが余計なことに気付かないでいてくれたらってこと」 スピカは舌打ちした。 「だから、見逃せってか?」 「そうしてくれると助かるんだけど」 女としては厄介ごとに巻き込まれたくはない。真の目的はここにはない。ただ、自分の妹に見間違えたアルビノイドの少女を無事ホテルに届けたかっただけである。が、まさかその連れに魔銃士がいたことに驚きは隠せない。偶然にも魔銃士に出会うなど任務以外に九九パーセントありえないからだ。女は早々にこの場を離れたかった。
ファンティアで展開中の【鬼っ子ハンターついなちゃん】ボイスドラマ 第28話に、やぎつくね、スピカ・スカイユ、真田ちゆりが登場しています。
こちらは、第28話前編のキービジュアルです。
第28話前編は、https://fantia.jp/posts/125576でお聴きいただけます。
こちらは、第28話後編のキービジュアルです。
第28話後編は、https://fantia.jp/posts/129509でお聴きいただけます。
いずれのイラストも、ちゃとん様が描かれたものです。
ファンティアで展開中の【鬼っ子ハンターついなちゃん】ボイスドラマ 第21話に、スピカ・スカイユ、真田ちゆり、御山あい、S・ブラッドストーンが登場しています。
こちらは、第21話前編のキービジュアルです。
第21話前編は、https://fantia.jp/posts/62238でお聴きいただけます。
こちらは、第21話後編のキービジュアルです。
第21話後編は、https://fantia.jp/posts/63289でお聴きいただけます。
いずれのイラストも、ちゃとん様が描かれたものです。
おにっぽんズ発行のおにっぽん公認アンソロジーA「おにっぽん 三娘萌華集(さんじょうほうがしゅう)」の34〜45ページに大和まほろば奇鬼妖神企画の長編小説「大和まほろば奇鬼妖神 煌御門の陰謀」の抜粋が掲載されました。
詳しい情報は、おにっぽんズのtwitterでご覧ください。
※ 「大和まほろば奇鬼妖神 煌御門の陰謀」の刊行は2018年春の予定です。
熊野娘道譚とのコラボ企画「大和の里 紀伊の里 繋ぐは妖し通る一本の道〜臘月の鬼神〜」のCDが、同人即売会などで頒布されています。
詳しい情報は、熊野娘道譚のボイスドラマのページでご覧ください。
ファンティアで展開中の【鬼っ子ハンターついなちゃん】ボイスドラマ 第11話・第12話に、スピカ・スカイユと真田ちゆりが登場しています。
こちらは、第11話前編のキービジュアルです。
第11話前編は、https://fantia.jp/posts/13921でお聴きいただけます。
こちらは、第11話後編のキービジュアルです。
第11話後編は、https://fantia.jp/posts/14598でお聴きいただけます。
こちらは、第12話前編のキービジュアルです。
第12話前編は、https://fantia.jp/posts/13921でお聴きいただけます。
こちらは、第12話後編のキービジュアルです。
第12話後編は、https://fantia.jp/posts/14598でお聴きいただけます。
いずれのイラストも、ちゃとん様が描かれたものです。